| 状態 | 完成 |
|---|---|
| 最終更新日 | 2012年02月14日 |
| ページ数 | PDF:102ページ |
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かつて春になると北海道の西海岸へ大挙して押し寄せ沿岸の町々を繁栄させたニシンが、あるところから資源減少の一途をたどり出して、ついに忽然として姿を消した。その後、ニシンについてあれこれ資料を読むあいだに、北海道春ニシン興隆と衰亡には人間の行為がもたらす多くの社会的・経済的条件のからみ合っていたことが分かってきた。北海道春ニシン漁の興亡は独立した完結的な自然現象ではなかった。それは人間と自然の交渉の膨大な集積が産み出した、歴史のドラマであった。
| はじめに |
| お礼の言葉 |
| はじめに |
| 第一章 江差の五月は江戸にもない |
| あれがエゾ地の山かいな |
| 松前の花守りたち |
| 「商場知行制」という独得の封建体制 |
| ニシン場に「工場制手工業」が形成された |
| 商業的農業と海運がニシン漁繁栄を支えた |
| 江差追分はタバ風が産んだ歌だ |
| 繁栄のなかに衰亡のタネがまかれた |
| 第二章 春告魚は消滅したのか |
| ほんとうにニシンが来ない |
| ニシン場の消滅は南から始まって北へ拡大波及した |
| 魚の「生活戦略」が資源変動を主導する |
| 日本海ニシン増大対策が開始された |
| 木遣り音頭は漁夫たちの祈りの声 |
| 第三章 蛎崎慶広、秀吉と家康へ売り込む |
| エゾ交易独占権を獲得したかった |
| 秀吉が新しい国家観をもたらした |
| 「蝦夷」のなかから「エゾ(アイヌ)」があぶり出された |
| 「和人」と先住民族とで構成される地域杜会 |
| 和人勢力の統制強化とエゾの抗争 |
| 自然に働きかけ、自然を利用し、自然と「共生」する文化 |
| 自由と尊厳を侵されたとき、怒り狂って戦う |
| 「日本列島通史」が構想されなくてはならない |
| 第四章 日本海航路の船乗りたち |
| 飢餓が海商活動を活性化した |
| 「買積船」と「賃積船」の歴史的役割 |
| 経営危機が船乗りたちを立ち上がらせた |
| 冒険的ビジネスの緻密な情報管理 |
| 跛行的な経済発展のなかで巨富を蓄える |
| やがて船頭衆がござるやら |
| 第五章 水運とそろばん算盤で繁昌した都市 |
| 売買利潤富貴の湊なり |
| 大阪は江戸の賄い方として働いた |
| 近世城下町は巨大な「人工的装置」だ |
| 河村瑞賢は大阪の恩人である |
| 大和川の切替えが河内平野をひらいた |
| 「出船千艘、入船千艘」とうたわれた |
| 金融・財政テクノクラートたちが豪商へのしあがった |
| 第六章 河内木綿と在郷資本盛衰のこと |
| 木綿が麻をおしのけて急速に成長した |
| 十七世紀後半に農民の経済余剰が生まれている |
| 「コメの経済」と「貨幣の経済」の格闘 |
| 都市商人と農村生産者の争闘の歴史 |
| 「営業の自由」を獲得できなかった |
| 華族、政商らが産んだ日本の「産業資本」 |
| 第七章 日本の「近代化」を考える |
| 明治維新論は「プロクルステスの寝台」だった |
| われわれの時代は本質的に悲劇の時代である |
| 近代国家づくりの「パイロットファーム実験農場」 |
| 歴史は死んでふたたび生き返る |
| 参考文献 |
| 参考文献 |
| 奥付 |
| 奥付 |