二十六歳で死ぬのだと誓った二十一歳の高木リコは、モデルの容姿の美しさを痩せることと結びつけ、過食症という病に陥っていた。
一方、裕福な家庭のもとで何不自由なく人生を歩んできた二十八歳の山岸俊一。精神科医である彼は、父親が開業したクリニックに勤めている。また、異性には美貌を求め、すべてにおいて一級品を求めている青年である。
そんな反対側にいるリコと俊一は、ひょんなことでスイミングスクールで見かけ、互いに好意を抱く。恋心を抱いた俊一は、リコに会いたい一心であったが、すれ違いで会うことができない。俊一にとって、リコの容姿の美は自分にとっての最高の美であったのだ。
そんなとき、俊一のクリニックに、リコとそっくりの容姿をもつ杉野結衣が現れた。また、彼女もリコと同様過食症を患っていた。俊一は、あのスイミングスクールで一目惚れをした相手が杉野結衣であると錯覚し、好意をもつが、患者であることや家柄を卑下してしまう。
俊一は、父親の旧友であり、経済的に豊かで地位も名誉もある社長令嬢の咲子と見合いをする。モデル業をこなしている美しい彼女は、俊一にとって最高の結婚相手であった。裕福で立派な家柄も、何ひとつ文句がない。患者である杉野結衣と比べるものの、すべてにおいて整った咲子を選ぼうとするわけだが・・・・。
対岸にいる高木リコと山岸俊一の生活、考え方などを平行させて書いた作品。
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