【大学進学率が50%を超え、新たな時代へ突入した現在、大学はICTを駆使して、どう甦ろうとしているのか】
かつて大学へ進学する学生たちが全体の15%程度だった頃、大学はエリートを養成する教育機関だった。
しかし、マスと呼ばれた時代を過ぎ、現在はユニバーサルと呼ばれる進学率50%を超える時代になったことで、大学の役割や目的を大きく様変わりさせなければ、生き残れない時代になってしまったのである。
ただ、かつての大学で育った多くの人たちは、当時の大学のイメージから脱しきれず、物事の進め方一つをとっても、従来からの方法にこだわり続けている。その結果、このままでは崩壊してしまうであろう大学に救いの手を出すこともできず、指を咥えて見ているだけと言えるのではないだろうか。
劇的な時代の移り変わりによる人々の生活様式やものの考え方の変化は、今まで常識とされてきた事柄を完全に覆し、モラルを作り直さなければ生活できないところまで来ているのである。
そこでこの書籍では、ICT技術の発展の歴史を追いながら「もしICT技術を利用したら、大学をこんな風に甦らせる手だって考えられる」というヒントを示すことで、身動きの取れなくなってしまった人たちへ向けてのエールとしたいと考えている。
更に、大学が抱えている閉塞感やジレンマに対して、小さな風穴をあけることで、新たな大学の形を提案していきたいとも考えているのである。そして、この電子書籍の制作そのものについても、大学改革へ向けての「初めの一歩」と考えていただければ幸いである。
何故なら、この電子書籍という形そのものが、大学、いや世の中における『知』の集積方法を根本から覆してしまう可能性を秘めているからなのである。
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| 表紙 |
| 表紙 |
| 目次 |
| 目次 |
| 1 はじめに |
| はじめに |
| 2 子供たちに何が起こっているのか |
| 2.1 学力低下は目的意識の欠落から |
| 2.2 家を離れたがらない子供たち |
| 2.3 資格に頼る生き方 |
| 2.4 モンスターペアレントという怪物とロボット化する子供たち |
| 2.5 社会参加意識の欠落 |
| 2.6 高校における進路指導の歪み |
| 2.7 学生の実態を掴みきれない大学 |
| 2.8 大学改革の嵐とは |
| 3 Web サイトが大学を動かし始めた頃 |
| 3.1 夜明け前 |
| 3.2 Web サイトの誕生 |
| 3.3 芽の時代 |
| 3.4 管理の押し付け合いの時代 |
| 3.5 藪の時代の到来 |
| 3.6 幹と枝の時代がやってきた |
| 3.7 葉と花の時代とは |
| 3.8 実と新たな芽の時代 |
| 3.9 始まったばかりのWeb 完成期 |
| 3.10 なぜ大学のWeb サイトは管理・運用が難しいのか |
| 3.11 大学におけるステークホルダーとは |
| 3.12 情報の提供は誰がするのか |
| 3.13 Web サイトの三権分立 |
| 3.14 Web が動き始めて生まれた感覚 |
| 4 Web は大学の枠を超える |
| 4.1 早すぎた試み |
| 4.2 知の整理が始まる |
| 4.3 Web サイトの評価とは |
| 4.4 Web サイト改善のタイミング |
| 4.5 ユーザビリティ・アクセシビリティ評価の意味と価値 |
| 4.6 次世代のWeb 評価方法 |
| 4.7 Web とE ラーニングの関係の始まり |
| 4.8 アーキテクチャの変化が時代を決める |
| 4.9 電子ページめくり機からVOD の活用へ |
| 4.10 ネットワークを利用する文化の醸成 |
| 4.11 大学におけるE ラーニングの活用 |
| 4.12 大学崩壊の序章 |
| 4.13 大学の枠組みを壊してしまう取り組み |
| 5 人の意識を変化させ続けるICT 技術 |
| 5.1 ネットワーカーの意識バランス |
| 5.2 ネットワーカー同士の距離感 |
| 5.3 パソコン通信からインターネットへの意識変化 |
| 5.4 ネットワークに「エンターテイメント」が加わり始めた頃 |
| 5.5「個」を意識させたブログの仕組み |
| 5.6 セカンドライフと呼ばれたネット世界のブーム |
| 5.7 ネットワークに溶け込む子供たち |
| 5.8 一歩遅れてモラルは出来る |
| 5.9 Web2.0 の始まり |
| 5.10 Web2.0 が与えた効果 |
| 5.11 夢の仕組み |
| 5.12 現状の矛盾を打ち砕いた先には? |
| 5.13 Web2.0 の「罪」 |
| 5.14 ゲームオーバーからの再出発 |
| 5.15 Facebook が変化させた意識バランス |
| 6 大学はICT とどう向き合うのか |
| 大学はICT とどう向き合うのか |
| 6.1 情報は手元かそれとも雲の中か |
| 6.2 新技術の芽生え |
| 6.3 パソコンのないパソコン教室の意味 |
| 6.4 電子書籍とは形を変えたWeb サイト |
| 6.5『 白門書房』という大学ブックコンテナ |
| 6.6 大学から教室が無くなる |
| 6.7 サイバー大学の挑戦 |
| 6.8 iTunesU という仕組み |
| 6.9 映像をどう撮るのか、何を公開するのか |
| 6.10 権利処理との戦い |
| 6.11 国境のないキャンパスの意味と行方 |
| 6.12 大学はバーチャルかそれともリアルか |
| 6.13 ICT が教育界に与える影響 |
| 6.14 究極のWeb サイト |
| 6.15 リアルな大学の臨場感が大切 |
| 6.16 近未来の大学Web サイト |
| 7 おわりに |
| おわりに |
| 後書き |
| 「次世代大学の崇高な使命」 明治大学法学部 阪井和男 |
| 付録 |
| 付録 |
| 索引 |
| 索引 |
| 奥付 |
| 奥付 |