「実は僕の大伯父は、銀行強盗だったんだ！」彼は声を低め、とても大切なものを取り出して見せるように言った。「きみのようなお嬢様にはとても想像できないだろうけど‥‥」「本当？　越えてる！　羨ましいわ。わたしの消毒くさい藪医者の一族には、そんなロマンなど、何処を探しても、とても取り出せそうにない」彼は、わたしの羨望をかわし、カナダ留学の旅たちに、そぐわない風変わりな話題を残して、旅立っていきました。わたしは、独りぼっちの午後の、不安な時間を過ごすあてもなくて、祖父の家に足を向けます。ここから、わたしは、とほうもない大事件に首を突っ込んでいくことになります。これは、あくまでも、創作であって、現実の事件との類似は、フイクションです。作者の亡きいま、みなさんのご質問に、いちいち、お答えすることはできませんが、鬼気迫るミステリーを、どうぞ、お楽しみ下さい！！