ティア国は小さな国だけれど、誰もが憧れる豊かな国だった。
なぜか? それは、万物との意思疎通ができるアリス王女がいたから。
彼女が笑えば国が栄え、悲しめば国は衰退した。
王女もそのことが分かっていた。
彼女が笑えば暖かな陽光が降り注ぎ、
心を平静にしていれば、穏やかな気候が続いた。
苦しいこと、哀しいことあっても、彼女は心を折ることなく、
笑顔を絶やさず、また凜とした姿勢を崩さなかった。
それが国の繁栄に繋がり、平和な世をつむぐことを知っていたからだ。
しかし、ある日、彼女の心に微かなヒビ入った。
そして、そのヒビを埋めるかのように、彼女は鏡の中の少女ありすと出会う。
おひめさまとはなんなのか?
象徴? 憧れ?
アリス王女と鏡の中の少女ありすの出会いは、なにをもたらすのか?
ふたりの少女の、凛々しく哀しい物語。
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