君がいた夏

君がいた夏

販売価格:110円 (税込)
状態 完成
最終更新日 2012年02月14日
ページ数 PDF:22ページ
内容紹介

 どんなことでも可能だと思った。不可能なことなんて感じない。あの日、世界は変わったんだ。昔から良く、イチャモンを付けていた口だけは達者だった、見学しているだけの体のか弱い、薄幸の少女。彼女が、唐突に口付けをしてくれたあの日に。彼女が蘭を大人にしてくれた。大人にならなきゃいられなくしてくれた。勇気それを与え続けてくれる。だから、不可能なことは何も感じない。ある日倒れた、病室からも。テレビで応援してくれている。
 彼女、歩は、野球部の絶対的エースである、今大会も注目の150㎞右腕、スカウト陣も熱い視線を送る、村上宏の恋人だと思っていた。それがみんなの共通認識だ。けれど、それもあの口付けによって、意識が変わる。今彼女の側にいてあげなきゃいけないのは僕なんだ、蘭は思う。村上は、「歩ちゃんと付き合ってんだろ。何でまだキスもしていないんだ」との仲間の問いに、「甲子園へ連れて行くまではやらない。そう決めてるんだ」と答える。それを聞いた蘭は複雑な心境になり、彼女にそのことを責めるように打ち明けた。
 「何でキスなんかしたんだ?」
 答えは凄くシンプルだった。

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