死に損なった奴


著: 3i87

死に損なった奴

著: 3i87
販売価格:500円 (税抜)
状態 完成
最終更新日 2012年02月14日
ページ数 PDF:1ページ
内容紹介

あの世行きの切符を売っていたら直ぐにでも買ってきたい。
金は充分有る。
金に困った奴が簡単に死ねて、俺が死ねない訳がない。
俺は独立独歩と言う夢もある、早く向こうへ行って頑張りたいと言う希望もある。
夢も希望も無い奴が死ねて、俺が死ねない訳が無い。

何の事はない、只生きようとする病人が居れば、俺は死のうとする健康な人間であると言う違いである。

俺の気持ちは一発で死ぬことである。
それも何処から仕入れたか分からない様な変な道具は絶対使用しない主義で、それに徐々に死んでいく事は到底俺の性分に合わない。
俺が望むのは堂々たる即死である。

痛がったり、苦しんだりして死ぬのは人間の風上にもおけない野郎で俺の最も嫌いな部類に入っている。

ありふれたオーソドックスな自殺ではなく、より新鮮で、より独創的なものでなければ死に甲斐はないと常々思っている。
くどいようだが。死ぬのは一瞬で紙一重を超えるものでなければ絶対意味をなさないものだ。
それは、皆んなの憧れともなるだろうし、人類史上画期的なものとなるかも知れない、そうかと言って美談として取り上げられたり、表彰されたりするのは身の毛がよだつ思いだ。
死ぬ理由は簡単だ。
俺は自慢じゃないが、難しい事を捻り出す程の頭は無い、だが、俺一人が居なくなれば人口が一人減る事ぐらいはわかる、俺が生きつづけて馬鹿な連中と同じように家庭を持ってやっていけば人口をどんどん増やして、自然を、とことん壊して、やがて地球も駄目にして、宇宙もどうなっていくのかわからないからである、生きると言う事は許せるものでない、もってのほかだと思っている。
もう、こんな世の中にはうんざりしている、未練は少しもない。


この一ヶ月努力に努力を重ねているのだがどうしても死んでくれない。
日が暮れてきた。

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