2009年3月末時点では、国債と借入金並びに政府短期証券を合わせた 「国の借金」(債務残高)が約847兆円と巨額になりました。特に、政府の借金残高が大きくなった1990年代後半から国家財政が、書籍・マスコミ等で取り上げられるようになり、国家破産を心配するようになりました。このような巨額の借金はどのようにして積み上がったかと言えば、1965年の 「40年不況」 を契機に1972億円の赤字国債を最初の禁断の実にしました。しばらくは、節度ある赤字国債を発行していましたが、1985年の特例法からブレーキのない自動車とかし、今も借金を毎日積み上げています。
そのため、国家破産が取り立たされ増税で対応しようとしています。最近は、国家破産は生じないとの説もあり国家破産の論調と非国家破産の論調を冷静に比較します。国家破産の論調は単式簿記に基づき、非国家破産の論調は複式簿記に基づいています。どちらの論調も国家財政のバケツに穴をあけたまま、消費税増税もしくは経済活動の税収増によりバケツに入れる水の量を増やそうとします。財務省は、国家財政のバケツに長期間穴をあけたまま消費税増税を叫んでいます。悪いことに、バケツから水の漏れる量は増加傾向にあります。
バケツの水漏れ原因は、身の丈に合わない予算を策定するキャリア官僚でありその予算を承認する政治家にあります。この原因を技術的要因と動機的要因に分けて分析します。戦後初めて国債を発行した1965年の1972億円の赤字国債以来、45年間に巨額の借金を積み上げたのは、政治家とキャリア官僚が容易に借金ができる旧郵政省の資金循環システムでお金を吸い上げ、吸い上げたお金を使い勝手のよい(国民から見ると不透明かつ伏魔殿)特別会計という財布に入れ、いざ借金返済となれば返済を先送りできる借換債の仕組みを悪用したためです。
現実の対応は、経済活動の税収増と国家財政バケツの水漏れ改革を同時並行に進める必要があると思われます。