世界には多くの国があり、文明・文化も複数存在する。しかし、西欧文明と異なるこれらの特殊性は、今日、それらの民族の生活行動を決定する支配的な力をもつものではなく、いわんや世界に直接影響を与えるようなエネルギーを有するものではない。資本主義、ナショナリズム、科学技術等の西欧文明は、近世初頭盛んな海外膨張を行ってよりこの方、その文明は徐々に世界に普及し始め、世界の文明となって今日煌々と輝きを放っている。現在では単に西欧だけの文明ではなく、同時に世界の文明となっている。特に、西欧文明は科学技術と資本主義が強固に結びつき、いくたの会社が日常生活を快適安楽に過ごせる製品およびサービスを生み出しているため西欧文明に蔵する短所に気付かない。しかし、時の経過と共に長所は社会に組み込まれ社会を変えていき、変じて短所の蓄積及び成長が始まり、西欧文明を構想した思いから逸脱して行く。
ウィキリークスは、2009年から世界中の機密情報を暴露し始めた。ウィキリークスが暴露した秘密書類の元資料は、国の行政組織が秘密書類を作成したり、会社のある組織が秘密書類を作成したりしている。このあたりを仔細に考えると、権力というか、競争というか、力に付随して秘密情報が生まれているように思える。しかも秘密情報は、力に付随しているため国家権力、会社が巨大になればなるほど秘密の範囲が広くなっている。ウィキリークスが公開した機密情報は西欧文明の象徴的現象と判断し、機密情報を読み解き分析し、帰納的に西欧文明を多面的に批評し、光と闇の両面から行く末を考察する。