六甲灘署の刑事、綾尾はあと数年で定年を迎える刑事である。九月の初旬、朝早く綾尾の自宅に、綾尾とコンビを組む岬刑事から、頭と手首のない白骨死体が発見されたと電話がかかってきた。
　署へ行くと、綾尾は白骨死体殺人事件の捜査本部から外され、前日に起こった心中事件の処理に、新人の女刑事、高見知枝と当たるように命令された。
　高見知枝は、綾尾の幼なじみで警察庁刑事局長、高見浩の娘である。同じく幼なじみの署長の岡井も六甲灘署にいることから、県警本部が知枝を綾尾たちに押しつけてきたのである。
　原稿用紙５８０枚分飽きさせないと思います。