京都で大学図書館司書をしている小泉佐保(こいずみさほ)(25歳)に恩師の谷崎教授から別荘開設祝いの招待がきた。そこは奈良県北部の山間で、出入(ではい)りが長いトンネルだけの孤絶した鬼添里(きさな)村だった。
佐保はそのトンネルで異様な「物」に襲われ「くるな」のメッセージを受け傷を負った。その直後に近くの神降寺(じんこうじ)でハイカーが惨殺され、別荘に着くと村の遊刺木(ゆさき)青年が「一ヶ月前にも村の老女が井戸に逆さ吊りになっていた」と話し、別荘開きの祝宴は騒然となった。
日頃は事件一つ無い村なのに、二十年に一度の宵宮が近づくと、凄絶な連続殺人事件が起こる謎の鬼添里で、探偵司書・小泉佐保の冒険が、始まった。
登場人物 |
プロローグ |
プロローグ |
第一章 鬼添里村 |
(1)長いトンネル |
(2)再会 |
(3)谷崎教授の故郷 |
(4)トモコの疑問 |
(5)奇祭の村 |
第二章 伝承の里 |
(1)待命塚古墳 |
(2)トラウマ |
(3)神降山 |
(4)霊慧和尚 |
第三章 宵宮の贄 |
(1)鬼御殿岩に棲む |
(2)神主 |
(3)速贄 |
(4)行方 |
(5)博物図書館 |
第四章 「物」の物語 |
(1)作戦 |
(2)伏見油掛 |
(3)やましな模型 |
(4)物部の末裔 |
第五章 神降山 |
(1)鬼塚犬九郎村長 |
(2)霊空のメモ |
(3)ミニキャタピラー |
(4)陸軍理科学研究所鬼添里分室 |
第六章 物怪 |
(1)列品室 |
(2)蟻地獄 |
(3)贄の女 |
(4)暗闘 |
終章 |
(1)祭りの後 |
(2)レファレンス・レポート |
エピローグ |
エピローグ |