京都清滝、獣面(けものおもて)をつけて水漬(みづ)く男の過去。
探偵司書小泉佐保の感応力が解き明かす。
☆ 琵琶湖の西岸坂本に日吉大社がある。この地で中世能舞台遺構を調査していた京都百万遍(ひゃくまんべん)大学岡田教授は奇妙な獣面を発掘した。この獣面と、十年前に発見され直後に亡失した古文書『犬王聞書(いぬおうききがき)』とを結ぶ中で、四つの殺人事件がおこることを岡田は知るよしもなかった。
☆ 第一の事件は小泉佐保が目撃した。正月三日の夕方、四十メートルの高さの京都駅空中回廊から墜落死したのは、~
主要人物 |
目次 |
プロローグ |
プロローグ |
第一章 都落ち |
(1)一月京都駅 |
(2)二月葛野研究室 |
(3)三月中央図書館 |
(4)三月地下貴重書庫 |
第二章 宝ヶ池の借景殺人 |
(1)四月電子メール |
(2)四月宝ヶ池東屋 |
(3)四月旧友再会 |
(4)四月中央図書館 |
第三章 大澤池の桜 |
(1)葛野の学生 |
(2)犬王と獣面 |
(3)嵯峨御所大覚寺 |
(4)蛇塚 |
第四章 さざ波の志賀の都 |
(1)琵琶湖行 |
(2)近江の海 |
(3)近江坂本・日吉大社 |
(4)下鴨と葛野 |
(5)犬王聞書小論 |
第五章 犬王舞う |
(1)左遷 |
(2)祇園たまき |
(3)盗聴 |
(4)参考調査報告 |
第六章 清滝に死す |
(1)重要文化財 |
(2)獣面の由来 |
(3)貴重書庫の夜 |
(4)司書服部英昭 |
エピローグ |
エピローグ |