現代社会では，会計処理の多くが会計ソフトを用いたコンピュータ会計へと移行してきている。かつては，仕訳帳や元帳といった主要簿に加え現金出納帳や当座預金出納帳などといった補助簿の記入もすべて手書きであった。かようなことから転記ミスなどもよくあり，財務諸表の作成において多くの問題が生じていた。
　コンピュータ会計では，単に，会計ソフトの操作の仕方を教授するのではなく，仕訳の入力をはじめ，試算表の仕組みや財務諸表分析といった，コンピュータ会計で作成された会計情報の活用の仕方なども伝授することになる。
　本書は，コンピュータ会計の中でも，より基礎的な内容で構成されている。
本書では，今日の会計の機能や簿記の基本的仕組みを明らかにすると共に，証憑にもとづく仕訳記入の方法を明らかにしている点で，より実務的な内容になっている。
　2019年6月から実施される，日商簿記検定試験3級の出題内容が大幅に改定される。その中で，証憑による仕訳問題などが出題される予定である。本書でも，証憑にもとづく仕訳記入の方法を解説している。その点，大いに役立つことであろう。
　本書を通じて，コンピュータ会計により関心をもち，さらに学習され，社会で活躍されることを切に望む次第である。
　なお，中央会社など地名を用いた会社名があるが実在の会社名でないことをここに付記する。