本書は,金融論と企業金融論の専門書として,金融論の基礎と企業金融論を学びたい人を対象に,金融論をその仕組みから平易に解説し,確実に体系的理解ができるように工夫して執筆したものである。
金融論の仕組みを理解するにあたって,ファイナンスや標準的な経済学そして行動経済学などの知識の修得が必要と思われるが,本書を通して,それらの知識を同時に学べるように工夫している。
筆者は,大学院時代から今日まで,30年近く会計学とファイナンスを研究してきた。昨今では,筆者の研究は,行動経済学や行動ファイナンスにその研究の中心が移行してきている。本書の後半は,行動ファイナンスに関する内容になっている。
本書により,読者諸兄が金融論に関心をもち,その体系的理解と実力養成に役立てれば,筆者の望外の喜びである。