メッサナ市奪還記念硬貨に刻まれる人物とはイリチヤだった。かつてメルノが歌った歌を耳にして動揺するイリチヤだったが、かえってバイスロイに対して心を閉ざしてしまう。
モデルのデッサンを携えてメッサナに戻ったバイスロイは、女先遣隊長シパドが新たな総督として就任することを知る。シパドは本来彼女のベレオーサ家のものだった土地を取り返し、治めることを当然と考えていた。そして二日後の就任式の折り、バイスロイに夫として、隣に立つよう求めるのだった。
古い昔話『9かける3番目の王国物語』には王と別れた后が特徴のある指輪を持っていたことが描かれている。それと同一と思われる指輪を持って現れたイリチヤ。彼が金貨に刻まれたことはいったい何を意味するのか。