現代社会では，会計処理の多くが会計ソフトを用いたコンピュータ会計へと移行してきている。しかしながら，計算実務能力が不要かといえば，むしろ，その必要性が高まっていると思われる。試算表の作成に加え商品有高帳の記入そして，換算の計算や度量衡の計算，手数料や割引料の計算などを修得することで，計算におけるミスを発見する力やそれを修正する力が身につくことになる。したがって，計算実務能力はこれからも重要なスキルといえよう。
　全経計算実務2級テキストでは，かように応用的な計算実務能力を修得することで，間違えの発見能力や修正する力を身に着けていくことになる。
　本書は，計算実務能力の中でも，より応用的な内容で構成されている。本書を通して今日の会計の機能や簿記の基本的仕組みを理解する一助になれれば，幸甚この上ない。
　本書を通じて，計算実務能力により関心をもち，さらに学習され，社会で活躍されることを切に望む次第である。