本模擬問題集は,簿記をはじめて学習する方を対象に,複式簿記の基本問題を体系的理解ができるように工夫して執筆したものである。
簿記の学習においては,習うよりも慣れろといわれることもあるが,簿記の基本問題を着実に解き理解することにより,複式簿記の体系的理解が進むと思われる。本模擬問題集では,1週間(7日間)で,簿記の初級に合格するだけの実力がつくように問題を設定している。
複式簿記は,筆者の考えでは,一般意味論と深い関係があると思われる。諸経済事象を
複式簿記で処理する(仕訳・転記など)過程において,多くの特性が捨象されていくのである。そこで,複式簿記では,小書き,摘要,注記,補助簿などで,失われた特性を補っているのである。筆者が執筆している,一般意味論から読み解く簿記原理の著書も合わせて学習されると,より複式簿記の基本的仕組みを理解することが容易になることであろう。
本模擬問題集により,読者諸兄が簿記に関心をもち,その体系的理解と実力養成に役立てれば,筆者の望外の喜びである。