財務会計理論は,昔と違い,あたかも誰もが同じ考えによるかのような風潮が現在生じている。しかしながら,現実の経済社会の経済事象を対象とする財務会計理論は,その目的が変化するに併せて共に変化し,真実性は相対的にならざるを得ない。
また,本書でとりあげる財務会計基礎理論においてさえ,複数の分類にもとづく多数の理論が併存している。本書では,具体的にその理由につて明らかにしていないが,本書の姉妹書である,『一般意味論からみる財務会計基礎理論』デザインエッグ社,2017では詳しく考察し明らかにしている。
本書は,財務会計をはじめて学ぶ初心者を対象として,その基礎を学ぶのに十分な内容構成になっており,すべてのページにふりがなをふっている。ある意味で,財務会計基礎理論の問題を提起するにとどめているのである。
本書を通じて財務会計理論に関心をもった読者はさらに,『一般意味論からみる財務会計基礎理論』Mデザインエッグ社,2017など多くの応用的な財務会計理論にすすまれることを推奨する。