認知行動療法と仏教思想

認知行動療法と仏教思想

販売価格:286円 (税込)
状態 完成
最終更新日 2022年04月05日
ページ数 PDF:32ページ
内容紹介

大きなストレスにさらされる生活をよぎなくされる日常。
 人は楽しいこと、好きなことをしているとき免疫力(生命力=病気への抵抗力)がいちばんアップします。反対に楽しいことができないとき、将来的に好きなことができそうにないと悲観したとき(=希望を喪失したとき)に免疫力がダウンします。
 私はアウシュヴィッツ強制収容所の話を聞きました。そこではときどき「何月何日に解放されるらしい」と根拠薄弱な噂が流れたことがあったそうです。しかし期待した解放がないまま噂の日が過ぎると、翌日からばたばたと病死する人が増えたそうです。がっかりすると生命力がくっと落ちるのです。
 わたしたちは毎日強いストレスを受けて暮らしています。
 人の体はストレスを受けると副腎皮質からコーチゾールというホルモンが出て鬱状態になるのです。うつ状態になると人の生命力(=免疫力、病気への抵抗力)がぐっと下がってしまいます。
 ストレスを受け続けた体はほかの病気にかかりやすくなります。
 ガンや糖尿病の発症率も上がるでしょう。
 ストレスを受けて分泌される副腎皮質ホルモンは、糖尿病が発症するきっかけを作ります。血糖値を上げるのですね。
 例えばシマウマはライオンから逃げるわけです。ストレスを受けた動物は危機が迫ったと察知して、そのホルモンを分泌し「戦闘状態」に入るんです。それは血圧を上げ、血糖値を上げます。また免疫を下げます。エネルギーを集中するため、死ぬか生きるかの状況から抜けるまでは、とりあえず免疫力に休んでてもらうのです。
 その結果として、ストレスを受けると、ご飯がまずく感じ、便秘になり、眠れなくなるわけです。私たち動物の体はそういうふうにできています。考えてみれば当然ですね。ライオンに襲われそうなときに、のんびり草を食べたりウンチしてる場合じゃないから。
 一時的なストレスにより一時的に血糖値が上がるだけなら問題ありませんが、常時ストレスを受け慢性的に血糖値と血圧が高い状況が続くと危険です。
 わたしたちの体の中では毎日のように、がん細胞が発生しています。しかし癌になる人は多くはありません。がん患者が増えたと言っても、人口の半分以下です。言い換えれば、人口の半分以上の人は一生ガンにならないわけです。頻繁にガン細胞が発生しているのにもかかわらずガンにならないのは、私たちの免疫のしくみが、生まれたてのガン細胞をたちまちに破壊してくれているからです。
 しかしながら、毎日強いストレスを感じて免疫力が低下したら、発生したがん細胞がそのまま大きく成長するかもしれないのです。ある程度以上に大きくなったがん細胞に対しては免疫は無力です。
 うつやあせり不安に悩まされる人もおおいでしょう。精神的な不調を治す治療法は主として抗うつ薬服用する薬物療法と心理療法があります。その両方を併用することが治療結果が良いようです。
 そんな現代の心理療法と、とても似たかんがえかたをするのが仏教です。2500年昔から存続する心理療法だと仏教思想を言えるかもしれません。薬物療法と心理療法に加え、仏教の修道の実行が、2020年代の私たちをたすける最良の方法かもしれません。

この本は「じぶんを信じる」の難しい版(難しいバージョン)。
内容はだいたいいっしょです。

目次
一章 認知行動療法
二章 つながる
三章 識と境
補記 認知療法と仏教思想の違いについて