本書はドイツのユダヤ系作家トゥホルスキーの青春恋愛小説の翻訳です。ベルリン近郊のラインスベルクを旅する二人の大学生クレールとヴォルフガングの恋愛模様を牧歌的に描いた1912年の作品です。クルト・トゥホルスキーは1890年にベルリンで生まれ、1920年代にワイマール共和国期のドイツで作家、諷刺詩人、ジャーナリストとして活躍しましたが、ナチス政権成立後に市民権を剥奪され、その著書を禁書とされ、スウェーデンに亡命し、1935年に自殺しました。代表作に『ラインスベルク 恋人たちのための絵本』、『グリプスホルム城』、『ピレネーの書』等があります。