特集 社会福祉法人からみた二〇二〇年
──権利を守る民主的運営をめざして
今号は特集とサブ特集の二本立てです。特集では、一月号特集の「地域から二〇二〇年をみる」につづき、「社会福祉法人から二〇二〇年をみる」と題し、四つの社会福祉法人の幹部の方にあつまっていただき、二〇二〇年を展望する座談会を開催しました。
社会福祉分野においても市場原理と競争を強制するしくみがもちこまれ、急速に“権利としての福祉”がこわされていくなかで、分野を超え、法人を超えて、権利としての社会福祉を守り実現するために連携・協同していこうと、「権利を守る社会福祉法人経営全国会議(仮称)」の結成に向けて準備がすすめられています。結成準備会は、同会議の設立にむけて昨年から全国各地で地域懇談会を開催し、学習、議論を重ねています。
先月号の特集でも、地域を耕していくということは、つまりは人と人とのつながりを積み重ねていくことだということが、キーワードとして語られました。分断と競争が前提の社会では、どうしてもお金があったり権力のある人が強くなります。権力側にとってはそうした社会のほうが都合がよく、社会のあらゆる場面に分断と競争を持ち込もうとします。
そうした強い力に対抗し、一部のお金持ちではなく、みんなが生きやすい社会を築いていくためには、なにかあたらしい技術やアプリが開発されてコロッと形勢逆転! というわけにはいきません。地道だけれど、おなじ思いの人や団体とつながり、協同し、数と声の力で対抗していくほかないのだと思います。
(編集主任)