「旅立ち」はこう始まる。「――赤坂プリンスホテルのスィートルームで三蛇酒を飲んでいた。周囲には力尽きて、そして酔いつぶれて眠っている人が20数名。――中略――ふと目を覚ましたとき、心は決まっていた。エネルギーの輸入に行こう。そして人生の楽しみ方をもっと学んでこよう。パーティを愛し、より一層パーティから愛されるために、酒とパーティの本場ヨーロッパに行かなければならない。――かくして旅立ちが決まった」。表題の添句は文化探究の修辞ではなく、まさしく本作は「ユーラシア飲酒旅行」と明快に銘打たれる作品だったのである。ザムザムコーラ(酒ではない)、スーテッツァイ、タラグ、ウォッカ、ビール、ワイン、テキーラ、ラム……、グラスをジョッキを傾けつつ、時に酩酊し、時に強盗団に軟禁されかかりながら、ローラーコースター的ユーラシアの旅が続く。酒、パーティ、人生をこよなく愛する著者の確固とした人生哲学に裏打ちされた、痛快無比の大陸横断記である。
(ある出版社から頂戴した講評より)
| プロローグ |
| 旅立ち |
| リサイクルワン |
| 中国 |
| 決意 |
| 中国とビール |
| 今週のロンドン |
| モンゴル |
| モンゴル料理 |
| 乳製品 |
| チンギスハーン・ブラッディマリー |
| ラトビア |
| 一人で酒を飲むことについて |
| リトアニア |
| They force me to drink |
| ソビエトパーク |
| ポーランド |
| 軽く一杯 |
| Nastarovia! |
| チェコ |
| 軟禁 |
| 再会 |
| スロバキア |
| 無言のコンペティション |
| 犬と自転車 |
| ハンガリー |
| 旅とインターネット |
| ユーラシア大陸横断 |
| オーストリア |
| ゲージュツっていいかも |
| ユースホステル |
| 信号と交通マナー |
| スイス |
| 日韓共催ワールドカップ |
| バリアフリー |
| フランス |
| モンサン・ミッシェル |
| フランスとワイン |
| オランダ |
| 陽気な人 |
| 対人距離 |
| ドイツ |
| 1Lビール |
| バー |
| フィンジェット |
| 船旅 |
| エストニア |
| ついに |
| 長い休暇 |
| ロシア |
| Back to Asia |
| ロシアの警官 |
| シベリア鉄道 |
| プラツカートニ |
| シベリアの風 |
| 新潟 |
| 帰国 |
| エピローグ |
| フジヤマンボ! |