福祉のひろば 2018年12月号

福祉のひろば 2018年12月号

販売価格:440円 (税込)
状態 完成
最終更新日 2018年11月12日
ページ数 PDF:88ページ
内容紹介

特集 社会福祉現場で憲法と人間を活かす

「ゆるしてください」
五歳の女児は、叫びを字に記して、いのちを絶った。この事件を、この文字を知って、多くの人が、この女児への社会の無力と家族責任という従属の楔に涙が止まらなかった。

今年のノーベル平和賞に選ばれたイラクの少数派ヤジディ教徒のナディア・ムラド・バセ・タハさん(二五歳)。

ムラドさんは「声を上げられない人々の声になる。正義を求める人々のために立つ」と語り、性被害を受けた女性や迫害されている少数派のために、今後も活動していくと誓った。

ムラドさんは「私の目標は中東や世界で虐げられている少数派や性暴力の被害者を守ること」。そのうえで「一つの賞や一人の人間では、その目的を達することはできない」と強調し、「全ての政府に虐殺や性暴力の犯罪と闘うことを求める。世界は道徳的、法的な責任を持たないといけない。国益の前に人道主義がなければならない」と述べ、被害者救済へ国際社会がもっと積極的に取り組むよう訴えた。(米ワシントンで記者会見)
 
ムラドさんの訴えや願いは、そして、五歳の女児の訴えは、どのように響くのでしょうか?

二〇一八年を通して、「どの人も健康で文化的な最低限度の生活を過ごせる権利がある」というテーマは、表面的な事象ではなく、今日本の中で起こっている問題との対比で熟慮したいと取組んできました。言い続け、こだわり続けなければなりません。権利としての社会保障、権利としての社会福祉なのですから。