何かが、モヤモヤの後ろ髪を引っ張って、しきりに記憶の喚起をうながしていた。でも、モヤモヤはそんなことにこだわってはいられなかったのだ。味方ボールのタイトスクラム、縞のジャージが水平に移動し、ボールが出た! ボールを持って走っているのは彼! ところは、ラグビー場。「見ました、あれは、わたしの彼です!!」握手をし、みんなまじり合い、勝利に抱き合っていた。それなのに、わたしの脳みそのなか、なにかが潜り込んでモヤモヤを引っ張る。これが、ベビートラップの開幕です。モヤモヤとイケイケ、二人の恋人はこれからくる、困難に、どう立ち向かっていくのでしょう? 特筆すべきは、この二人の人間像。読み終わるころには、あなたも、モヤモヤを愛さずにはいられなくなっているのでは‥‥‥。