シャーロック・ホームズが懐かしくなり、パスティーシュでもと思って気づいたのはホームズとドラキュラは同じような時代設定ではないかということ。調べてみたら『シャーロック・ホームズ対ドラキュラ』という作品がやはりありました!
しかしその前に昔映画で観た『ドラキュラ』とは何なのかを知るために本書を読んでみました。
そうしたらこれは大傑作でした。
登場人物の手紙や日記を読んでドラキュラ伯爵に迫っていて行くのですが、それぞれ友人を思いやる気持ちがこもっていて読ませます。
吸血鬼を倒すために追いかけるヴァン・ヘルシング老教授は狂人的なのか思っていたのですが、ホームズよりも人として素晴らしく温情と誠意の人でした。
ブラム・ストーカーは『月長石』『白衣の女』の著者ウィルキー・コリンズの影響を受けていると解説にありましたが、ここにデュマ、ディケンズなどの名ストーリー・テラーの流れを感じました。
こういう語り力を現代SFにも欲しい!