福祉のひろば 2018年9月号

福祉のひろば 2018年9月号

販売価格:440円 (税込)
状態 完成
最終更新日 2018年08月29日
ページ数 PDF:88ページ
内容紹介

特集
精神障害者が地域でふつうに生きる

『精神病院はいらない! イタリア・バザーリア改革を達成させた愛弟子三人の証言』(現代書館)という本は、二〇一六年に発刊されました。
この本の第七章に「対談 映画『むかしMattoの町があった』の見どころ」と題して、ジャーナリストの大熊一夫と精神科医の伊藤順一郎の対談が掲載されています。

伊藤氏は、二〇世紀後半から精神病を巡る状況は大きく変わった、と指摘します。治療とかリハビリテーションという概念が明確になったことと、もう一つは、回復にあたって医療のやれることは限られており、生活を続け、学び、働き、人を愛し、そのなかで安心感や自尊心をとり戻す、そのための工夫が、何より意味があるということです。精神病院は、その成立のときから社会防衛的な役割をもち、それを構造に取り込んできました。バザーリアがとりくんできたのは、歴史的必然に根ざした変革だと、指摘しています。

トリエステの精神保健サービスの実践は、隔離・疎外から、社会の包摂へ、そのための人びとの支えを築く実践でもありました。そして、生活協同組合という協同組織の存在でもありました。編集の準備の段階で全国精神医療労働組合協議会に出会いました。そして、インタビューをしました。日本は、日本の道を歩まなければならないのですが、それは、主権者国民の問題であり、精神障害者も、とうぜん主権者なのです。