不死の細胞を持った男は、殺しあう。
《まだ、見たことのない風景を、見ようよ》
現在・過去・未来、時代を飛び越えながら進行する物語。
これは、不死の細胞を持った生命体《穢死丸》の物語の続編です。
細胞が限界なく再生するために、不死である、という発想は、
単純にトカゲの尻尾や、植物をみて考えたものですが、
もしもトカゲの再生が、切り落とされ失われたしっぽだけではなくて、
しっぽから本体まで再生できたら?と考えたのです。
もし、そういう生命体が動物にいたとしたら、《愛する》ことによって、
繁殖するのではなくて、《殺しあう》ことによって繁殖するのではないか、と。
生命の倫理体系そのものについて考えようとしたのです。
《愛する》ことによって繁殖するにもかかわらず《殺しあ》い続ける人間種と、
《殺しあう》ことによって繁殖するにもかかわらず《愛し》続ける《穢死丸》種の交錯。
もっとも、本当は、《穢死丸》種そのものの同士の恋愛を書くべきだったかもしれません。
それは、この作品の世界観が完成した後に、書かれるべきだと思ったので、
この作品では書かれていません。
いま、考えています。もちろんそれは、この作品を解体する作品になるはずです。
2018.05.27. Seno-Le Ma