さて、今回の『超人&恐怖と勇気』という作品は、一つは、『超人、悪魔と神、その他』という作品と、もう一つは、『恐怖と勇気、ソクラテス賛美、その他』という作品を、いわば「一つに統合した」ものであるが、まず、ニーチェがいう『超人』になるためには、次の「三つの段階」を経なければならず、最初は、「駱駝(らくだ)」の段階があり、次は、「獅子(しし)」の段階へと進み、そして、最後は、邪気のない「幼(おさ)な子」へと変化しなければならない。次に、「悪魔と神」であるが、「悪魔」というのは、まさに「悪」を本体としている存在であり、それゆえ、「善」を本体としているような存在がいちばん嫌いであり、それらに様々な「悪さ」を仕掛けるが、その一つが、まさに『誘惑』であり、例えば、アダムとイブをはじめ、イエスは、荒野で「三つの誘惑」を受け、また、釈迦は、魔王の「三人の娘の誘惑』を受けることになる。
一方、「恐怖と勇気」では、まず、われわれ人間の「心の中」に「恐怖心」が生じて来るのは、本来、「自己防衛的な働き」であり、一方、その「恐怖心」を何とか克服して、何らかの「行動」(言動)を行なうには、どうしても「勇気」というものが必要になるが、それは、極めて「意志的なもの」である。また、「脳の発達と心の発達」では、まず、われわれ人間の「脳」というのは、いわば「未完成の状態」で生まれて来るが、これは、実に画期的なことであり、というのも、生まれ落ちたあと、その赤ん坊をどのような「環境」に置くかによって、その赤ん坊の「脳の発達」というものは、どのようにも形成させることができ得る可能性が残されているのである。その他、幾つかの作品があるので、興味や関心がありましたら、ぜひとも訪ねて見てください。