さて、今回は、夏目漱石の代表作である『草枕』と『こころ』という「二つの作品」の考察であるが、まず、『草枕』では、山途を登りながら考えた様々な「文学論」や「芸術観」などを想いつくままに語るという内容であり、その部分が「冒頭から全般」へと及び、そして、もう一つは、旅先の那古井(なごい)の温泉宿で偶然に出逢った「那美(なみ)さん」(その元「お嬢さん」)との様々な「出来事」や、また、「能」や「お茶」或いはまた「裸婦像」その他に関する様々な考察であり、一方、『こころ』という作品は、「先生と私」「両親と私」「先生の遺書」という「三部」から成るものであり、われわれ日本人にいちばん多く読まれている作品の一つでありながら、なかなか作者のその真の「意図」がどこにあるのか判然としないところがあり、それゆえ、今回は、特に第一部「先生と私」と第三部「先生の遺書」の本文にできるだけ寄り添いながら深く考察したものであり、先生をはじめ、奥さんやお嬢さん或いはまたKの「心の動き」の考察とともに、その最大の「謎」である、「K」や「先生」の「自殺」の、その真の「動機」(真相)は一体どういうものであったのか? それらの「解明」(謎解き)になっていますので、興味や関心がありましたら、ぜひとも訪ねて見てください。
奥付 |
奥付 |