届屋ルドルフ

届屋ルドルフ

販売価格:11円 (税込)
状態 完成
最終更新日 2017年12月10日
ページ数 PDF:46ページ
内容紹介

 心に傷を負うまだ幼さが残る少年ルドルフ。
 ルドルフは、愛がわからない。
 小さい頃からいじめられ苦しめられてきた。
 その理由は、ルドルフの体のいたる場所にできている黒い色素斑が原因だった。
 そして、ルドルフには影が2つあった。
 二重影。
 人々はそんなルドルフを怖がり出来るだけ避けてきた。
 それ故、ルドルフはいつもひとりぼっちだった。
 9人兄妹の末っ子のルドルフは、いつも兄妹の輪に入りたかったが輪には入れずにいた。
 遠慮があったからだ……
 だから、何かある度にサンタに愚痴をこぼしていた。
 サンタは、時に厳しく時に優しくルドルフ兄妹に接していた。
 ルドルフたちは、トナカイと呼ばれるサンタを護る存在だった。
 ルドルフたちは、サンタのことが大好きだった。
 そんなある日……
 ルドルフの目の前でサンタが、死んだ。
 サンタは重い心臓の病気だった。
 余命数ヶ月。

「ワシも次のクリスマスで、最後じゃな」

 サンタのその願いむなしくクリスマスを迎える前に亡くなった。
 クリスマスの前日だった。
 サンタは、いつもルドルフに言っていた。

「愛って良いものだぞ。
 お前にもそれを知る権利がある。
 ワシが死んだあとは、お前に届屋の名を託そう」

 ルドルフには、その言葉の意味がわからなかった。
 そして思っていた。

  嫌われ者の自分からプレゼントを貰っても子どもたちは、嬉しくはないだろう。

 だから、サンタの死後、ルドルフはずっと家に引きこもっていた。
 そして、4年が過ぎようとしたころ……
 サンタとトナカイ宛てに一通の手紙が届く。

 その手紙がルドルフの心を暖かくした。

 このお話は、嫌われ者のルドルフが届屋として成長していく小さな物語。

目次
01 さよならサンタ
ダンスがうまく踊れない
お父さんのチーズケーキ
サンタクロースの孫
エピローグ