さて、今回の『恋愛と売春』(愛着付き)という作品は、一つは、『恋愛と売春』、一つは、『愛着について、作者と作品、芸術鑑賞』という作品を、一つに「統合したもの」であり、まず、「恋愛」(恋)というのは、プラトンの『饗宴』という作品のなかで、最初は「一つの体」(男女〈おめ〉)であったものが、神々に刃向かうようになったので、神の怒りにふれて、「二つの体」(つまり男と女)に引き離されてしまう。そうなると、今度は、自分の「半身(片割れ)」にめぐり逢いたいという強い欲求に襲われるのが、まさに「恋(エロス)」である。――次に、「売春」の問題であるが、「売春」が成立するためには、次の「三つのもの」が必要であり、一つは、富める側の人たち、一つは、貧しい側に存在する女性たち、そして、もう一つは、この「二つのもの」が結びつくための「場」(古くは「売春宿」)である。――そして、「愛着」というのは、その対象とある程度「慣れ親しむ」とともに、その中でも、「特に気に入っているもの」(或いは「楽しい想い出につながるようなもの」)にこそ、「愛着」というものは、はっきりと生じて来るものである。――最後に、「作品」は、間違いなく、作者の「思惟内容」(つまり様々な「思いや考え+漠然としたもの」)から生み出されて来るものであり、それゆえ、「芸術鑑賞」とは、すなわち、その「作品」が生み出された時の作者の「思惟内容」(つまり様々な「思いや考え+漠然としたもの」)へと遡(さかのぼ)ることに他ならないのである。以上、興味や関心がありましたら、ぜひとも訪ねて見てください。