宗教は、大いなるものへの畏怖と帰一の感情である。この論文では、この大いなるものの一つに〈大地〉を考え、大地における〈生命の循環と永遠〉の信仰が、古代宗教の地母神にまつわる神話の中に語り尽されていることを論じている。〈母なる大地〉という観念は、先史時代以来、あらゆる宗教の低層流に連綿として流れていた感性の表現だったのである。