さて、今回の『自分とは何か 芥川龍之介の世界』という作品は、人気の高い「自分とは何か、その他」と「芥川龍之介の世界」の、この「二つの作品」を一つに統合したものであるが、まず、最初の「自分とは何か」では、デカルトの「われ思う、ゆえに我あり」を厳密に読み解き、ほんとうの自分とは何かを徹底的に解明しているとともに、「小林秀雄とランボー」では、なぜ、ランボーをあれほど熱っぽく語ったのか? その「真意」の根本的な考察であり、そして、「中原中也の思い出」では、圧倒的な「人気を得た」、中原中也の「ものの見方」が、再び、登場するとともに、有名な「汚れちまった悲しみに」についての考察にもなっています。――一方、「芥川龍之介の世界」では、誰もがよく知っている「羅生門、杜子春、蜘蛛の糸、藪の中」に「トロッコ」をつけ加えたものであり、この最も有名な「四つの作品」と「トロッコ」という作品の一体どこがどのように魅力的なのか? その「本文」にできるだけ寄り添った「内容考察」になっているとともに、とくに「藪の中」では、いわゆる三人の供述のくい違いの「謎解き」から、まさに事件の「真相」の解明になっていますので、興味や関心がありましたら、ぜひとも訪ねて見てください。