福祉のひろば 2017年9月号

福祉のひろば 2017年9月号

販売価格:440円 (税込)
状態 完成
最終更新日 2017年08月15日
ページ数 PDF:88ページ
内容紹介

特集
いま、高齢者福祉にかかせない養護老人ホームはどうなっているのか

 二〇〇五年の改正で大きく変化した養護老人ホーム
「養護老人ホーム」は、一九六三年の老人福祉法制定により、それまでの「養老院」から、措置制度を柱として、創設された施設です。
 二〇〇五年には国の制度改革により、制度が大きく変わりました。三位一体改革により、養護老人ホームの保護費が一般財源化されました。また介護保険法の改正で、施設内の介護サービスの一部を利用できるようになり、老人福祉法の改正で、入所要件から「身体上若しくは精神上の理由」が削除され、居室を原則個室にするなど、設置及び運営に関する基準も改定されました。

◆養護老人ホームとは
 老人福祉法一一条一項は、「六五歳以上の者であって、環境上の理由及び経済的理由により居宅において養護を受けることが困難なものを当該市町村の設置する養護老人ホームに入所させ、又は当該市町村以外の者の設置する養護老人ホームに入所を委託すること」としており、また同二〇条の四は、「養護老人ホームは、第十一条第一項第一号の措置に係る者を入所させ、養護するとともに、その者が自立した日常生活を営み、社会的活動に参加するために必要な指導及び訓練その他の援助をおこなうことを目的とする施設とする」と、養護老人ホームの性格を規定しています。
 このように、養護老人ホームは、児童養護施設と同様に措置施設であり、家族との関係や住居などの理由で在宅生活できず経済的にも生活が困窮している高齢者が入所する施設で、要介護高齢者が生活する特別養護老人ホーム(契約施設)とは大きく性格が異なっています。