ル・アーヴルはセーヌ川が英仏海峡に注ぐ河口の港町。畑和彦は数年前にこの町のアキレス自動車工場と契約し日本的生産方式を導入するコンサルタントとして働き始めた。契約が更新され、あと5年間は仕事を続けられる保証ができたので、妻の時子と息子の宏和を呼び、小さいが戸建ての家も買った。宏和はル・アーヴル大学に入学しフランスでの生活にも慣れて来た。アマチュア画家の時子は、市の美術館で開かれている「16世紀フランドル派の絵画展」を見に行き、良かったので宏和に奨めた。日曜日に絵を見た後、ジョギングで高台の上を走り海峡の見晴台を見つけた宏和は、そこでお祈りをするアラブ人と出会った。
第1篇 海峡の見晴台 その1 |
第1篇 海峡の見晴台 その1 |
第1篇 海峡の見晴台 その2 |
第1篇 海峡の見晴台 その2 |
奥付 |
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