さて、今回の『シェイクスピアの世界』(ハムレットⅢ)上巻という作品は、第一幕と第二幕とを統合したものであるが、この作品の「目的と特徴」は、次のようなものである。まず、そもそも「本を読む」とは、一体、どういうことなのか? 晩年のゲーテは、「……みなさんは、本の読み方を学ぶには、どんなに時間と労力がかかるかを御存知ない。私は、そのために八十年を費やしたよ。しかし、まだ今でも目的に到達しているとは言えないな」と語っている。それでは、どのような「本の読み方」であれば、まさにベストの「本の読み方」になるのだろうか?
例えば、一般に、読書というのは、本に書かれている「文章」(言葉)を目で読み進めながら、その表面的な「意味や内容或いは物語(ストーリー)」などがひと通り分かれば、それでもう「本を読んだ」ことになっているかと思うが、しかし、それは、ただ「本に目を通した」だけであり、「本を読む」とは、すなわち、「深く読む」ことであり、それゆえ、各人それぞれがどのくらい深くまで「厳密に深く読めているのか?」が、まさにその人の本を読む「力量」ということになるかと思う。
そして、私の得た結論は、必ず、「テキスト」(本文)を見ながら、その「本文」の一字一句をできるだけ丁寧かつ厳密に深く読み解いていくことが、まさにベストの「本の読み方」になるのではないかと思い、そのような「記述方法」を採用しているのであり、この「作品」の一字一句をできるだけ丁寧かつ厳密に読み進んでもらえれば、恐らく、今までに経験したことのないような、まさに『ハムレット』という作品の「本文」の一字一句がはっきりと実感として理解できているかと思う次第であり、特に『ハムレット』に興味や関心がありましたら、ぜひとも訪ねて見てください。