谷崎潤一郎の世界 鍵(第四部)

谷崎潤一郎の世界 鍵(第四部)

販売価格:237円 (税込)
状態 完成
最終更新日 2019年04月08日
ページ数 PDF:32ページ
内容紹介

 さて、今回は、谷崎潤一郎の有名な『鍵』の「第四部」になるが、その内容は、次のようなものである。まず、倒れた「夫」(大学教授)を看病する「妻」(郁子いくこ)を中心とした内容であるが、基本としては、夜中は、妻(郁子いくこ)が一人で看病して、朝は、七時頃、婆やがやって来て、食事の支度をする、八時頃、看護婦の小池さんが起きて、八時半頃、夫(病人)は朝食を取る。――正午、病人の昼食。午後一時、町医者の児玉さんが来診し、その後、妻は、二時以降、二階で「仮眠」を二三時間取り、この時に日記を書く。そして、五時頃、妻(郁子)は、二階から降り、五時半頃、夫(病人)の夕食になる。夜は、八時頃、敏子が帰り、九時頃、婆やも去る。十時、小池さんは二階へ行く。十一時、庭に(木村の)足音が聞える。裏口から女中部屋へ通す。十二時、彼去る。という基本的な「生活パターン」を繰り返すことになる。――ところで、この「第四部」にはこれという大きな「出来事」はないが、ただ、夫(大学教授)は、「にーき、にーき」と妻の「日記」のことを非常に気にしていて、「……お前は日記を、どうしている?」と聞くので、「……私は昔から日記なんか附けていません、そんなこと、あなた知ってはるやありませんか」と、意地悪く素直には答えてはくれない。そこで、夫(大学教授)は、ふと娘(敏子)のことを想い出し、そして、その娘(敏子)に妻の「日記帳」を捜し出してもらうことを思い付くという展開であり、興味や関心がありましたら、ぜひとも訪ねて見てください。

目次
奥付
奥付