2011年3月の原発爆発時に福島第一原発(イチエフ)から25kmの川内村に暮らしていた作家・たくき よしみつが、全村避難中の村(当時は「緊急時避難準備区域」)に戻って生活を再開しながら書いた『裸のフクシマ』(講談社)は、多くの書評でその的確さ、冷静さ、驚くべき内容について絶賛された。
本書はその続編、あるいは表に書けなかった、より赤裸々で濃厚なエピソード集。
季刊「東北学」に連載されたものをもとに全面書き直した完全版。
内容にフィクションの要素は一切なく、すべて実話である。
序 |
序・「あぶくま」の神性 |
1 越後から阿武隈へ |
越後で学んだこと |
「桃源郷」の意味 |
侵略者を神と崇める |
2 阿武隈梁山泊人物録 |
登場人物の紹介 |
生まれて初めて家を建てた |
モリアオガエル同棲計画 |
3 阿武隈での生活が始まる |
テロリストと呼ばれて |
村と東京電力との関係 |
イモリの代弁者になる |
4 巨大風力発電施設計画の悪夢 |
母の死 |
井戸掘り |
巨大風車建設計画 |
風力発電の不都合な真実 |
5 山が破壊される |
村長は知らなかった |
村を二分する対立が再び |
平気で嘘をつく人たち |
6 ウィンドファーム建設阻止に奔走する |
福島県に要望書を提出 |
秋山豊寛さんと会う |
顔も見せなかった県の責任者 |
7 裏山は守られたが…… |
水俣市長と話す |
加藤登紀子さんと経産省を訪ねる |
村長がついに受け入れ拒否を表明 |
8 それぞれの田舎暮らし |
それぞれの「田舎暮らし」 |
きのこ里山の会とカエル神社プロジェクト |
亜鉛閣と蝉鳴寮 |
仕事ができる大人が移住してくることが不可欠 |
9 過疎地での文化活動 |
過疎地でアーティスト活動はできるのか |
阿武隈の狛犬たちを全国に紹介 |
タニシ倶楽部と阿武隈アートトイレプロジェクト |
まずは自ら楽しむ |
10 原発爆発 |
巨大風車に囲まれて |
そして3・11 |
原発爆発 |
神宮寺で一泊 |
川崎へ避難 |
11 情報錯綜の中で |
放射線量計を買う |
完全に情報孤児となっていた周辺自治体 |
ネットだけが頼りだった |
20km、30kmで区切られたことによる混乱 |
一時帰宅 |
12 全村避難中の村に戻る決意をする |
あのとき誰がどう行動したか |
20km、30km境界線をめぐる混乱 |
阿武隈に戻る決意を固める |
13 「緊急時避難準備区域」での生活 |
全村避難直前の飯舘村に行く |
「出世した」ジョンと取り残された犬猫たち |
賠償金バブルが始まる |
帰村派と避難継続希望派の対立 |
14 村が変わっていく |
村の空気が変わった |
復活の米の顛末 |
「避難者」も事情がいろいろ |
移住先を探す |
15 阿武隈を去る決意 |
引っ越し |
モリアオガエル |
福島は「フクシマ」を忘れたいのか? |
二つの映画 |
16 梁山泊の果て |
梁山泊の行く末 |
さらばタヌパック阿武隈 |
「フクシマ」の問題とは何だったのか |
「フクシマ」の中で生き抜くために |
奥付 |