さて、今回は、ソクラテスに関する「四つの難題」のうちの一つである、ソクラテスと「デルポイの神託」についての考察であり、それは、デルポイの神託により、ソクラテスより知恵のあるものは誰もいない、ということを、友人のカイレポンから聞いた時から始まるものであり、それを聞いたソクラテスは、一体、何を神は言おうとしているのだろうか。一体、何の謎をかけているのだろうか。なぜなら、自分は、大にも小にも、知恵のある者なんかではないのだと自覚しているのだから。そこで、その「神託の真意」(謎かけ)をぜひとも解明したいと思うわけである。そして、長いあいだ思い迷ったあと、やっとのことで、ある「考え」がふと思い浮かぶことになるが、そのふと浮かんだ「考え」(思いつき)こそは、それ以前とそれ以後のソクラテスの人生を大きく変えてしまう決定的なものになるとともに、ソクラテスの「哲学遍歴」の第一歩ともなるものであり、ソクラテスの人生を大きく変える「原点」ともなった「デルポイの神託」についての徹底した考察であり、ソクラテスの有名な「無知の知」なども出てきますので、興味や関心がありましたら、ぜひとも訪ねて見てください。(令和二年二月十六日現在、更新して最新版)