本能寺で、心無くも生死を別たなければならなかった織田信長正室濃姫は、信長亡き後の天下を彼の為に見極めんと、再び
「帰蝶」として、信長女どもを守る戦いを開始する。
ともすれば、崩れ折れそうな心を叱咤激励して、秀吉、家康の調略から、利用されることを厭い、表舞台から身を潜める。
帰り来る「蝶」として、自由に京都、美濃、全国を行脚して、猿や狸から、信長の遺児、女たちを守るべく。
生前は夫に影のように付き添った濃姫は、自身が「養華院」として大徳寺総見院の奥津城で天寿を全うするまで、「
乱世」を信長の眼で見つめ続ける。待ち続ける此岸の帰蝶を、長い年月の後、 彼岸の信長が迎えに来る
1 さらば安土城 |
2 信長おんなども |
3 不如帰と枯野 |
4 露の宿りに |
5 動く時と別れ |
6 さらば一幡 |
7 人の時 |
8 後日談 |
9 後書き |