さて、太宰治の『走れメロス』という作品は、一般に「友情」がテーマとされているが、もちろん、それは、まさに「その通り」であるが、しかし、それだけではなく、太宰治の『走れメロス』という作品の中には、もう一つ、太宰治にとってはむしろ「最大のテーマ」でもある、いわゆる「人間が信じられる、信じられない」という最も「大事なテーマ」も提示されているのであり、その「根本問題」についての基礎からの考察になっています。――一方、『人間失格』という作品では、太宰治の「人間形成」をその「生い立ち」から考察し、「第一の手記」では、太宰治の「幼少期」の「内的事実」(特に「人間恐怖」その他)の考察であり、また、「第二の手記」では、太宰治の「青年期」の「内的事実」(特に「女性観」その他)の考察であり、そして、「第三の手記」では、「鎌倉心中未遂事件」から晩年までの本文に添った考察であるが、例えば、堀木との関係、シヅ子との出逢い、そのシヅ子とは誰なのか、また、遺書と心中、そして、ヨシ子との出逢い、そのヨシ子とは誰なのか、さらに、妻の姦通、その他、『思ひ出』や『斜陽』それに『津軽』などの「最後の部分」の簡単な考察なども加えてありますので、興味や関心がありましたら、ぜひとも訪ねて見てください。(2018年9月20日現在、更新して最新版)