状態 | 完成 |
---|---|
最終更新日 | 2016年02月29日 |
ページ数 | PDF:4ページ |
ダウンロード | PDF形式でダウンロード EPUB形式でダウンロード |
Kindleで読む | New ※要設定 設定方法はこちら |
昭和のはじめ、子どもだったわたしは幡ヶ谷から明治神宮まで歩いたものだった。
軍靴のひびきが聴こえてくる時期だった。贅沢は敵だ、のスローガンが声高に叫ばれ、「歩け、歩け」の号令が盛んなりしころである。わたしは無邪気にも歩くことをたのしみ、戦前の明治神宮や代々木、新宿の街をしばしば散策したものだった。セピア色にくすんだ写真で誰しも当時のおもかげをしのぶことができるが、わたしの記憶の中では総天然色の「東京」がイキイキと息づいている。その追憶を少しづつ語ってゆくことにしよう。