社会福祉研究交流集会 第20回合宿研究会in京都
対象からみた社会福祉、営利企業参入の実態を考える
1月9日~10日、の大谷大学(京都市北区)において、第二〇回合宿研究会in京都を開催しました。今回は、国民(対象)の生活実態や福祉要求に、いまの政策・運動は向き合えているのかを問い、明らかにするものとしようと確認し、報告者は、おもに京都で活躍されている方を中心にお願いしました。
1日目のテーマは、「対象からみた社会福祉」です。児童、高齢、障害分野の対象領域ごとの生活実態と社会福祉の現状、地域福祉の現状を、具体的事例や当事者の要求、調査結果などから掘り下げました。
社会保障制度審議会「95年勧告」以降、いっそう社会保障・社会福祉の国の責任があいまいになり、社会保障・社会福祉があたかも国民の相互扶助、助け合い「互助」であるかのように認識され、自助、互助、共助が強調されて、公の責任は後景に追いやられています。社会福祉の対象課題を生活問題として、創出される社会的背景、とりわけ雇用問題、貧困問題に結びつけて対象を把握することが強く求められています。
2日目は、「営利企業参入の実態を考える」というテーマで、介護サービス(ホームヘルプサービス)、保育所、放課後等デイサービスの現場への営利企業参入の実態と、それによる福祉サービスとその利用者・従事者への影響の実態が報告されました。
最後のあいさつで石倉康次総合社会福祉研究所理事長は、起こっている問題に福祉としてどう対抗していくのか、アクションをどのような道筋で作りあげていけるか、本研究会で出された課題を参加者と共有し、京都で開催する夏の社会福祉研究交流集会につなげたいとまとめ、研究会を締めくくりました。