これは明治時代の終わり頃の話である。 私(森野奥人)の祖母・ハツノにとっての祖父・梁吉という人は、知恵者であり、機転が人一倍きいたという。 いわば、一休さんのようであって、土地の無名の人物を有力者に育てたり、村の窮状を救ったり、罪人を更正させたりと、様々に高徳な働きをしたと祖母から聞いている。 そのような話の中に、梁吉の機転と知恵が、あの世の亡霊にも通用したという話がある。
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