江戸時代後期。直参旗本の次男坊に生まれ、変わり者と言われながらも好きな絵を描く事を許されていた熊野真次郎は、当時「富嶽三十六景」を完成させたばかりの葛飾北斎の弟子であった。 自筆の富士の絵を師に観てもらった事から、父に呼び出され、甲斐信濃国境の庄屋家に行く事を命ぜられる。 自分の絵の力と一族の秘密を知った真次郎の、八ヶ岳山麓の村での生活が始まる。