この一年間、保育の新制度移行問題について、さまざまな変化がありました。もちろん今も続いています。
子どもの生活環境が大きく変貌していくなかで、今はむしろ、社会福祉という視点での「保育」が求められています。保育現場での子どもや親たちと保育士の日々の向き合いの現実、待機児の問題、そして、労働環境の大きな変化、とくに母親たちの労働の変化のなかで、子どもたちが背負っている「荷」と、その親と子になくてはならない存在の保育の場。その明日が、この制度の持ち込みによりどうなるかを考えざるを得ません。
今回の特集の取材を通して、現場の保育を担っている保育士をはじめとして、福祉労働者が「目の前の子どもたちの成長や発達を願っている」専門職としての姿勢は、制度がちがえども共通しています。
しかし、そのことが制度の中で実現できるのかどうか、不安を抱き、働き続けることも頭をよぎりながら、きびしい現実のなかでたたかわざるを得ないのが現実だという声も聞いてきました。