物事に動ぜず、孤高を好む青年・神崎浩平は「哲学者」と呼ばれ るの変わり者だった。
一方、地元を仕切るお金持ちのお嬢様・ 彩鈴香は外れたことがない程のルーン占いの使い手であったが、 近りがたい雰囲気の美少女で、他人の瞳を射抜くように見つめ威 圧るような空気から「絶対零度の魔女」と呼ばれる存在だった。
香の数少ない友人の一人、三枝明美は三年になって付き合い始 め伊達正彦と、この二人をカップリングしようとする。彩宮鈴香 が崎浩平に好意を抱いていることを三枝が見抜いたからだ。
が、伊達は一年間にわたり、一学年下の小泉幸恵と付き合っていたのに、無碍に振っていた。
神崎と彩宮から「生き霊が憑いている」と指摘された伊達は怯えながらも、真面目に三枝と付き合おうとする。
Wデートで夏休み初日に行った一大アミューズメントプールで、伊達はコンクリートの底に足を引っ張られて溺れる。小泉幸恵の生き霊がなす技だった。
神崎と彩宮はその呪詛をお互いに認知し、二人で生き霊返しを行い伊達を救う。
最早、般若の域にある小泉幸恵を救う術はないと言い切る彩宮に神崎は彼女は救えると固執する。
数年前の未曾有の大災害となった『あの日』を生き延びた自分達は、真っ直ぐに生きなければならないと言うのが神崎の信念だった。
彩宮鈴香は呆れながらも、神崎に従う、そして、その言動にますます神崎に惹かれて行く。
だが、小泉幸恵の呪詛は祖父・完部玄白に操られたものだった。イザナミ流の呪詛師・完部玄白は孫の怨念を利用し、一大呪詛を組もうとしていた。
市井の霊能者にすぎない彩宮鈴香と神崎浩平は、小泉幸恵を救えるのか?
決戦の幕は開く。
第1章 桜ヶ丘高校の哲学者 |
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第2章 桜ヶ丘高校の絶対零度の魔女 |
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第3章 審判の門 |
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