四季を往く蒸気機関車 春編


著: DEP

四季を往く蒸気機関車 春編

著: DEP
状態 完成
最終更新日 2015年10月04日
ページ数 PDF:41ページ
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内容紹介

駅に降りたのは私だけであった。涼風が顔をなでて行く。南の国では、すでに花が咲き始めようというのに、ここではまだ冬の世界が広がっているようだ。
朝の冷たい空気は、やはり気持ちよい。
以前より計画していた目的地まで約5キロ、速く歩いて約60分で行くだろう。
それから山へ登り、線路を見下す地点へ! からだ全体に「やるぞ!」という意欲がもりもりと沸いてくる。
途中一度だけ休みはしたが、時間通り到着。SLが来るまであと30分。撮影仕度をして来るのを待つばかりだ。かすかにドラフト音が聞こえる。
来た! 全身に力が入いる。幾度となく押して来たシャッターではあったが、やはり緊張する。
押した! やった! 全身の力が一瞬のうちにぬけるようだ。
今の今まで無我無中で気がつかなかったが、ふとあたりを見渡すと、あちこちにふきのとうがたくさん芽をふいていた。

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