四季を往く蒸気機関車 冬編


著: DEP

四季を往く蒸気機関車 冬編

著: DEP
状態 完成
最終更新日 2015年10月04日
ページ数 PDF:57ページ
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内容紹介

○月×日。何回となく見て来た北海道の冬。うす暗い空に星がまだあった。宗谷本線名寄駅から分かれて、深名線の北母子里駅下車。
降りたのは私だけだった。鼻毛が凍りついてむずむずする。温度計が-15℃を指していた。駅舎の外に出ると、空気が凍って、登り始めた太陽の光に照しだされて、キラキラ飛んでいるのが見える。
快晴。実に空気がうまい。青空の中に思い出せないが、何かの形に似た雲がポッカリと浮んでいた。
目的地目指して歩き始める。右に左に山間をぬうようにして引かれている線路にそって歩く。しかし思うように進まなかった。雪が足にからみ、行手をはばむ。雪道の5キロはとてもつらい。
途中でコーラの栓を抜く。のどにしみ渡り、夏に飲むのとは一味違う。
トンネルを越えると目的の場所はあった。少し高い所へ登り線路を見下せば、眼下に広がる雪景色が一段と美しい。シャッターを押すばかりにセットして、じっと待っことしばし。
ふと横を見ると、動物の足跡らしいものが、生々しく点々と見えるではないか。私の手の平の4倍くらいはあるだろうか。どう考えても、熊の足跡としか思えなかった。

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