凱旋祭(がいせんまつり)‐泉鏡花 現代語訳集別冊37

凱旋祭(がいせんまつり)‐泉鏡花 現代語訳集別冊37

販売価格:44円 (税込)
状態 完成
最終更新日 2016年04月09日
ページ数 PDF:10ページ
内容紹介

【あらすじ】

西暦千八百九十五年某月某日に行われた、盛大な凱旋祭。

市の東南の公園内にある記念碑の銅像を祭の中心とし、その銅像の頭から八方に綱を張って繋ぎ掛けられた、数千の鬼灯提灯は、真っ蒼に塗られて、眉を描き、鼻を描き、眼を描き、口を描いて、人の顔に似せてある。

有名な遠山桜は、梢から根に至るまで、旅団の兵員の使用した青い色の毛布で覆い包んで、見上げるほど巨大な象の形が造られている。

紫の幕、紅の旗、青く晴れた空の色、草木の色の緑など、ただ美しいものがいくつもいくつも重なり合い、混じり合って、全市街が七色で彩られる中、見事な牡丹の花を描いた大きな母衣布を胴とする獅子、上半身を黒く塗り、下半身を赤く染めた人足の群れの作る百足が、人混みの中を踊り狂い、疾走する。

そんな賑やかで華やかな祭の当日、人から離れて悄然と立ち、寂しそうにあたりを見回す、一人の年若い美人の姿があった。

目次
奥付
奥付